微生物学講座(感染症学?免疫学分野)
講座?分野紹介
当分野は1929年に細菌学講座として発足し、主にウイルスと細菌を対象とした微生物学と感染免疫学を研究してきました。組織改変に伴い、名称が微生物学講座 感染症学?免疫学分野となりましたが、発足以来の伝統を受け継いで今日に至ります。
主な研究内容
◇インフルエンザウイルスの増殖機構の研究:
インフルエンザウイルスの遺伝子やタンパク質が、ウイルスの増殖過程においてどのような役割をもつのかを研究しています。特にウイルス粒子の形態形成機構を解析しています。
◇インフルエンザウイルスの進化機構の研究:
インフルエンザウイルスの主要な抗原をコードするHA遺伝子の進化機構を免疫学的側面から解析しています。
◇粘膜免疫を効率的に誘導するアジュバントの研究:
多くの病原体は呼吸器、消化器などの粘膜組織から生体内に侵入します。これらの組織において感染防御に有効な粘膜免疫を誘導するためのアジュバントを探索しています。
◇インフルエンザおよびCOVID-19経鼻ワクチンの研究:
現行の注射型ワクチンは、ウイルスの侵入門戸である呼吸器粘膜に感染防御免疫は誘導できません。上気道に粘膜免疫を誘導可能な経鼻ワクチンの開発研究を行っています。
◇SARS-CoV-2のSタンパクの研究:
糖鎖の修飾に関連するSタンパクの機能を解析しています。
◇ほ乳類キチナーゼの研究:
代表的なほ乳類キチナーゼであるChit1やAMCaseが、生体防御においてどのような役割をもつのかを研究しています。
学生へのメッセージ
当分野の特徴は、微生物学と免疫学を専門とする教員の指導により、感染症を多面的に研究できる態勢が整っていることです。病原体と生体防御の両面から感染現象を観察し考察を深めることは、臨床の現場においても大いに役立つはずです。熱意ある皆さんと共に勉強できることを期待しています!