薬学研究科長メッセージ
平成25年4月に開設されました岩手医科大学薬学研究科は、国際的視野に立ち豊かな学識を養うとともに自立した研究能力を併せもつ医療人?薬学研究者?薬学教育者の育成を目指しています。
医療薬学専攻では、医療薬学と医療の発展に貢献する臨床薬剤師、医薬品開発研究者及び生命薬学研究者、薬学教育者を育成します。
伝統のある岩手医科大学に、薬学部は平成19年に開設されました。薬学研究科の指導教員は薬学部の各分野にも所属していますが、皆、薬学部開設時に教育?研究に対して人一倍熱意を持って集まった者ばかりです。皆優れた研究業績を挙げているばかりでなく、多くの教員は海外留学をし、大学付置研究所や国公私立の研究機関に勤務し研究活動に従事した経験があります。大学院講義や演習はもちろん、研究テーマの選定、研究立案、研究の遂行、研究成果の取りまとめ等、指導を受けるにふさわしい教員が揃っています。
研究には様々な取組み方があります。誰もが共通に目標とする大命題を解決したいという使命感も大切です。一方で、誰もが考えつかないことに思い至り、あるいは、気づいていても放置していることに注目して研究を開始することもあります。明治30年に始まる岩手医科大学の歴史は、本学が盛岡の地において医療人養成を我が国で先駆的に取組んだことを示しています。グローバル化が叫ばれて久しいですが、どのような研究スタイルをとるにしろ、個性を輝かせ世界へ薬学研究を発信していきたいと、私達は願っています。
薬学研究科では、ヒトゲノム解読後の遺伝子情報を背景とし、薬物療法を中心とした医療人(薬剤師)の専門性を高める研究に重点を置きつつ、医薬品の発見?開発、医薬品の作用?副作用の発現機構、がんやアルツハイマー病、糖尿病を始めとする各種病態の解明、さらには基礎生物学的な視点から生命現象の根本原理に到るまで、幅広い研究テーマが進行しています。それらの成果を医療現場にフィードバックすることも大事な使命です。
教員の現在の研究内容、博士論文や修士論文のテーマはこのホームページや大学院の募集要項を参考にしていただき、興味のある事項については教員に直接相談や質問をして詳細を確認して下さい。地域医療と先進医療を目指す「誠の医療人」養成という本学の使命の基、薬学研究に興味を持ち教員とともに研究活動に参加しようという意欲に満ちあふれた方に、是非門戸をたたいて欲しいと期待しています。
薬学研究科長 河野 富一(薬科学講座 創薬有機化学分野 教授)