岩手医科大学創立120周年記念事業募金 事業の総括と御礼
事業の発足
創立者三田俊次郎は、明治30年4月20日私立岩手病院を開院し医学講習所と産婆看護婦養成所を併置して医師と看護師の養成を開始、医学講習所は明治34年に私立岩手医学校へと発展しました。
従前の岩手医科大学は、財団法人岩手医学専門学校が設立された昭和3年を創立年に定めていましたが、平成26年3月の理事会?評議員会において大学の淵源?創立年が明治30年にあることを確認しこれを改めるとともに、先人の偉業を讃え、創立から120年の節目を祝う「創立120周年記念事業」の実施を決定しました。
当該事業には記念式典や学術イベント等の他、総合移転整備計画の最大事業であった附属病院新棟建設?移転及び附属内丸メディカルセンターの整備事業、看護学部の開設事業を定め、創立者が掲げた「厚生済民」「誠の人間の育成」の理念の下、新たな歴史開拓に向けて邁進することとしたものです。
事業の歩み
爾来、卒業生や在学生父母、寄付者、学内外の関係者、地域社会のご協力も得ながら本事業に取り組んだ結果、平成29年4月には看護学部を開設し医療系4学部を有する医療系総合大学へと発展を遂げ、令和元年9月には悲願であった矢巾地区への附属病院新築移転?内丸メディカルセンター開設が実現、北東北?北海道エリアで最大規模を誇る高度医療拠点を整備するに至り、私学の雄としての地位を確立できたことは開学以来の大きな成果でありました。
一方、令和2年度以降は病院の運営を軌道に乗せ、残す内丸メディカルセンター新棟建設並びに内丸跡地の再開発事業を推進する計画でありましたが、附属病院建設に係る借入金返済が始まった中、新型コロナウイルス感染症の拡大による診療?手術制限等に伴う医療収入の減少や消費税問題、更には近年の物価高騰等に伴う支出の増大が法人経営に甚大な影響をもたらした結果、事業実施の見通しが立たず、見直しを余儀なくされることになりました。
現在、本法人は短期的?中長期的な視野に立った抜本的な経営改善計画の策定に取り組んでおり、内丸地区の在り方についても再度検討を重ねることとしています。
事業の御礼
本事業の実施にあたっては、学内外の関係者の皆様から多大なるご尽力?ご協力を頂いたことにあらためて深く感謝の意を表します。特にも募金事業においては、延べ2,992件、累計27億9,975万円もの賛同を頂いており、事業推進の大きな原動力となりました。寄付者のご芳名は附属病院に設置した寄付者銘板及びWEB芳名録に掲げており、教職員や患者様はじめ来学される多くの皆様に認知されております。
本法人は創立者が掲げた理念を第一義に、今後も医療系総合大学として質の高い教育研究活動を実践し、県内唯一の特定機能病院として高度医療の堅持と地域医療への貢献を果たしていく所存です。関係者の皆様には、引き続き変わらぬご支援ご協力のお願いを申し上げます。