歯科保存学講座?[歯周療法学分野]
講座?教室からひとこと
歯周病は実に面白い学問です。「まさかこんな歯が本当に残るの?」という歯が意外と長く残ります。これは学生教育に通じるものがあります。勿論、残すためには工夫や努力が必要ですが、実に多様です。一方、早期に抜歯してインプラントに置換するべき場合もあります。個々の状況は患者さんによって全く異なるので、総合的に患者さんごとにベストな治療計画を1口腔単位で考え、実践できる学問、夢中になれる歯科医療、それが歯周病学(歯周治療学)だと思います。
講座?教室の基本理念
歯周病は程度の差こそあれ、成人の大多数が患い、歯を喪失する原因です。また口の中だけではなく全身の健康にも大きな影響を及ぼすことが広く知られています。気がつかないうちに進行する歯周病根絶のため、その原因を追究し歯周治療で改善するとともに再発防止、予防に努めていきます。
「組織再生」は病気で失ってしまった組織を元通りに回復し機能できるようにすることです。歯周領域でも再生研究は発展し臨床応用されています。再生には、細胞、足場、成長因子の3条件が必要不可欠とされていますが、肝心の宿主が不健康であれば歯周組織の再生どころではありません。何よりもまず宿主(組織の構成主)の健康回復が第1優先です。
私は本学歯学部15期卒で(最後の?幻の?)「新卒国試合格率100%世代」です。歯学部を取り巻く状況はかつてと全く異なりますが、教育機関である大学組織も同様で、組織を構成する各医局員が皆、自信に満ち溢れ、生き生きと夢中になって仕事に従事できることが、学部再生につながると信じています。当教室の基本理念は、指導対象学生も含め各医局員の活性化(実力向上、自信獲得)にあります。教室の発展はもとより歯学部再興も念頭に置き日々努力し、精進しています。
主な研究内容および診療内容
<主な研究内容>
- 歯周疾患の再発と長期的予後に関する研究
- 歯周組織再生材料の臨床応用に関する研究
- 歯周病原性細菌の分子生物学的解析に関する研究
- 間葉系幹細胞(MSC)と血球系細胞および歯周組織構成細胞との相互作用に関する研究
- 全身疾患と歯周病との関連に関する研究
- 歯周治療の評価に関する研究
<主な診療内容>
歯周治療、歯周再生治療