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学長就任挨拶

本学は、明治30年前身の私立岩手病院医学講習所開設以来110年もの長きにわたって輝かしい誇るべき歴史を刻んできました。昭和40年に歯学部が開設され、昨年は薬学部が開設され、医系総合大学として更なる飛躍を遂げています。
一方、「改革なくして成長なし」の美名のもと進められている財政構造改革は、教育、医療環境の著しい悪化を招いています。また、医師不足や定員削減圧 力、少子化大学全入時代を迎え、各学部において様々な問題が噴出してきております。学内にあっては附属病院の老朽化と狭隘化などの問題を抱え、大学運営は 難しいかじ取りを要求されています。この様な時期に学長職を拝命したことは、重い責任を負ったということであり、使命の重大さに気の引き締まる思いです。
一方、厳しい環境と危機的状況はむしろチャンスでもあると考えます。国公立大学は法人化と運営費交付金の減額などによる財政難により疲弊し、私立大学も 同様です。厳しい状況は各大学とも同じです。この様な厳しい激動の時代であればあるほど、むしろ本学にとっては発展へのチャンスに変える大きな力となると 信じます。厳しい状況をチャンスに変え、本学の存続と発展につなげてゆくためには、同じ目標に向かってベクトル合わせ教職員一丸となることと、急激に変化する社会に即時に対応し、他に先駆けた特徴ある大学作り、これを支える大学運営の迅速な意思決定が必要です。これは、私立大学だからこそできることであり、地方にありながら地道な努力を続けてきた本学は、皆様が考えている以上に日本、世界から高く評価されており、十二分にそのポテンシャルがあると考えます。
総合大学は少なくありません。しかし、施設?運営が独立、硬直化し、内容は単科大学の寄せ集めにすぎないものが殆どです。本学の目指す道は、各学部の独自性を生かしつつも学部、講座を超えたフレキシブルある連携のもと効率的な教育?診療?研究体制を確立することです。この特徴ある大学作りと総合移転整備事業を基礎に、物的人的資源を最大限に引き出し、他に抜きん出た大学への昇華を目指したいと考えます。
教職員の皆様には、この意味を十分にご理解いただき絶大なるご協力をお願い申し上げご挨拶とさせて頂きます。

【岩手医科大学報391号(平成20年4月号) 巻頭言より】