呼吸器外科学講座
講座?分野紹介
当分野は、肺?縦隔の呼吸器外科疾患を専門に扱う講座です。対象疾患は、耐術能を有する切除可能な原発性肺がんを中心に、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、自然気胸、膿胸など多岐にわたります。当教室の年間手術件数の約50%は原発性肺がん症例であり、肺がんに対して胸腔鏡を用い2~3cmの小切開で手術を行う完全胸腔鏡下手術を主に行っています。我々は、臨床面では、できるだけ患者負担の少ない低侵襲治療を試みるとともに、技術的にも人間的にも優れた呼吸器外科医師の育成を目指しています。また研究面では、周術期合併症低減に向けた臨床研究にも積極的に取り組んでおります。
主な研究内容
?臨床研究:
①呼吸器外科周術期合併症のリスク因子解析
②術中迅速診断における迅速免疫染色の有用性の研究
③胸腔鏡下手術における各デバイスの有用性の検討
?基礎研究:
①肺がん予後因子としての各種バイオマーカーの探索
②感温性磁性体を用いた磁場誘導温熱療法の研究
③術後肺傷害メカニズムに関する研究
④急性炎症における肺血管内皮細胞骨格変化に関する研究
胸腔鏡手術
呼吸器外科専門医に求められるもの
肺がん手術件数は年々増加しており、呼吸器外科の担う役割は極めて重要となってきております。また近年における肺がん治療の進歩は目覚ましく、高度臨床医としての「呼吸器外科専門医」の育成には、臨床現場でのオピニオンリーダーとなれるような「研究マインド」を兼ね備え、かつコミュニケーション能力を持ち、人間的にも優れた医師であることが必須と考えております。
学生へのメッセージ
肺は生命維持のための重要臓器であり、その肺を切除する呼吸器外科は、常に術後合併症を念頭におきつつ最適な治療方法を検討する必要のある特殊な分野です。本邦における悪性腫瘍死亡率第1位の肺がんに立ち向かうべく、当講座では高度の技術?知識を持つ多くの各専門分野の先生方と密に連携しながら、患者さんに最適な治療を実践すべく日々尽力しております。当科は科長以下スタッフ全員で臨床?教育?研究を行っており、次世代を担う「研究マインドを持った優れた呼吸器外科医師の育成」を目指しております。