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大学院生の声(修士課程)

検査室から臨床へ

臨床検査技師として採血、検体検査業務に従事しています。医師から依頼があった検査を実施して、結果を報告するのが仕事です。日々の検査において、たくさんの検査がありますが、検査結果に責任をもって報告することが臨床検査技師の役割と考えています。

臨床検査技師として3年が経ち、検査を実施して結果を報告するだけではなく、検査の現場から臨床へ発信できる検査関連の付加情報があればよりチーム医療に貢献できると考えるようになりました。これが修士課程に進むことを決めた理由です。さらに高みを目指すうえで、日常の検体検査に関連する新たな検査法の開発も臨床検査技師の関われる分野と考えます。私の修士課程で取り組んだ研究は、血栓性病変(心筋梗塞や脳梗塞など)をもつ患者で、血小板機能を測定し、簡便に抗血小板薬の効果を判定することです。従来の方法では、専用の機器を必要とし、時間がかかり、採血量も多く普及している検査とはいえない現状がありました。そこで、血小板機能測定を日常検査で使用している機器を用いて、簡便で迅速な検査法の開発を目的に研究生活を始めました。2年の修士課程を経て、「血小板」についてより興味を持つことができました。現在も「血小板」をテーマに研究員として研究生活を続けていますが、「血小板」の一部分を知ることで、また別の疑問が生じます。この繰り返しを楽しみながら末長く付き合っていきたいと思います。さらに、日々の検体検査業務においても日頃の業務から生じた検査の疑問を自分で考え、調べて解決する力が身についたと思っています。

修士課程では、たくさんの講師の先生方と接する機会もでき、なにか疑問をもったときは相談できる環境ができました。今後も臨床検査技師として、修士課程で学んだことを活かし、検査の現場から有益な情報を発信することでチーム医療の一員として医療に貢献できるように努めていきたいです。

※取材時の情報です

千葉 拓也

岩手医科大学大学院修士課程修了
【先端医科学群医用計測学分野】

岩手医科大学附属病院 中央臨床検査部に勤務


佐藤 葉子

岩手医科大学大学院修士課程修了
【先端医科学群生体防御学分野】

岩手医科大学附属病院 中央手術部に勤務

チーム医療の一員として

看護師としての業務と並行して大学院修士課程修了後も研究を続けています。それまでも看護研究に取り組んでいましたが、医療現場において、その研究内容が臨床に役立つのか、そもそも研究として成り立っているのか疑問に思っていました。そんな時に修士課程を知り、医療現場における研究に必要な基礎医学や、研究の方法について学び、2年の修士課程を無事に修了することができました。
学問として研究に真摯に取り組むことは、チーム医療の一員として必要ではないかと考えます。看護師の私にも、丁寧に根気よく指導してくれる先生方々に感謝します。

継続して学ぶ

研究内容は手術時手指消毒の検討を行いました。この検討は数多く行われていましたが、国際的な論文においても客観的に消毒効果について検討する方法が確立されていなかったため、その多くは費用対効果や消毒の教育的観点による検討でした。修士課程では実際の医療従事者による手術時の手指消毒の検討と消毒効果の評価系の検証を含めた実践的な検討を行いました。修士課程を修了し、やっと研究者としてのスタートラインにつくことが出来ました。今後は手術部位感染(surgical site infection)などをテーマに研究を続けていきたいと思います。

※取材時の情報です