研究
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略歴 PROFILE

1988年3月
岩手医科大学医学部 卒業
1988年4月
岩手医科大学大学院医学研究科(病理学系専攻) 入学
1992年3月
岩手医科大学大学院医学研究科(病理学系専攻) 修了
2001年4月
岩手医科大学医学部 講師
2004年4月
岩手医科大学医学部 助教授
2007年4月
岩手医科大学医学部 准教授
2008年4月
岩手医科大学医学部 教授

<主要研究領域>
エピゲノム解析による細胞機能の解明
分子標的治療薬の開発
HDACを標的とした創薬事業

<所属学会等 >
日本癌学会
日本病理学会
AACR

文部科学省の研究開発プロジェクトを
医歯薬の学際的研究として推進

平成22年度「文部科学省戦略的研究基盤形成支援事業」に認定された「低侵襲医療実現のための患部ターゲティング医療開発研究プロジェクト」の事務局として、研究開発の推進を行っています。

この文部科学省のプロジェクトには本学からは7テスラの学際的研究拠点プロジェクトも採択されています。学部の枠を越えた学際的な研究チームを組織して取り組んでおり、より多角的な研究成果を提供できると考えています。

我々の研究プロジェクトは、治療に関わるさまざまなディバイス、つまり手法であったり器具?インストゥルメントを開発しようというもので、医学部の臨床の 医師や歯学部の材料工学、あるいは我々のような分子生物学?遺伝子工学など、様々な分野の研究者が参加していろいろな視点から研究開発しています。30数人の実務担当者によって推進されていて、バラエティに富んだユニークな研究が進行中です。

人間の身体にやさしいディバイスの研究

ディバイスという言葉はあまり聞き慣れないかも知れませんが、ようはモノであったり、生活習慣であったり、体質改善であったりと、様々に考えられるわけで、それを包括的に表す言葉として使用しています。

例えば骨髄の中にある細胞を治療ディバイスとして活用しようという研究開発をしているグループもいます。実際に骨髄の細胞が移植した神経の細胞として再生したかどうかを、蛍光色のついた細胞で検証?トレースしようというユニークな取り組みも行っています。

また、内視鏡のような治療ディバイスでも、虫みたいなカメラを開発し、体内の3D画像を診ながら治療できるというようなことを研究しているマイクロディバイス開発チームもいます。

石崎 明 教授
共同でプロジェクトを進めている生化学講座細胞情報科学分野の石崎 明教授。蛍光色のついた細胞で細胞が再生していることを検証するという研究を進行中です。
赤色蛍光強発現TGマウス
赤色蛍光強発現TGマウス(東海大学医学部大塚正人博士より供与)。左側が「tdTomato強発現マウス」、右側が「WTマウス」です。
赤色蛍光強発現TGマウス骨髄由来細胞
赤色蛍光強発現TGマウス骨髄由来細胞。

遺伝子情報からタンパク質の形成までの
メカニズムを研究できる最新の
スクリーニング機器を導入

私自身の研究テーマはガン治療のディバイス開発。麻薬で興奮を覚えた際に出てくるタンパク質がガン細胞の威力を高め、抗ガン剤の効力を弱めるのですが、ケミカルバイオロジーという手法を用いて、がん治療薬を開発しようとしています。

効果を検証するために、最新のゲノム解析装置を導入しています。2日あれば全遺伝子を読み込める次世代シーケンサーなどを用いて、どの薬がもっとも効果があり人間の身体に影響が少ないのかを、スクリーニングしていこうと考えています。

ねらいを決めて研究することも大切ですが、グローバルに網羅的なところからスクリーニングしていくことも大切です。そのために遺伝子情報からタンパク質を創るまでの過程をハイスループットにスクリーニング調査できる機器を揃えています。

今回の研究は5年間ですが、しっかり検証実績を積み重ね、次の5年の実地的な研究開発につなげていけるようにしたいと考えています。